新 タイル建築探訪

2009年4月21日 (火)

vol.19 青い海の誘惑タイル~『タイルの本2009年2月号』より

今回ご紹介するのはこちらの建物。092

こちらは大分県の別府市中央公民館(別府市公会堂)。

昭和3年(1928年)竣工で、吉田鉄郎さんという建築家の設計。歴史ある建物ですね

外装は、当時流行っていた「スクラッチタイル」という、表面をつげグシで引っ掻いたような表情のタイルが張られているそうです。

この「スクラッチタイル」は、フランク・ロイド・ライトという建築家が帝国ホテルに採用したのをきっかけに日本中で大流行していました。(このあたりのお話は、2009年4月号『タイルの本』の「建築探偵のタイル観察/藤森照信氏」に詳しいですよ

「しかし、別府市公会堂の場合はライトの影響とはいい難い、と私は思う。吉田はライトを熟知していたはずだが、ここでスクラッチタイルを採用したのは、北欧の煉瓦の粗野な表情を欲していたからではないだろうか。」

吉田鉄郎さん、北欧スウェーデンの建築家・エストベリ設計の、煉瓦づくりのストックホルム市庁舎に影響を受けていたらしいです

さて、この別府市中央公民館のなかに、『タイルの本』2009年2月号の表紙にもなっている、「青い海の誘惑タイル」があるんです。

092_3 

青い布目のタイル、おもしろいですよね。建物の中に実際どのように張られているかというと・・・

092_4

こんな感じ。

扉の装飾もステキ

ちなみに、吉田鉄郎さんが影響を受けたというストックホルム市庁舎、内部には湖の女神を描いたモザイク大壁画があるんですって。

「吉田がそれを意識してここに鮮やかな青いタイルを用いたのか、それは知る由もない。私は別府市公会堂屋上から見た別府湾の鮮やかな青色が、このタイルと呼応しているように思えてならなかった。」

やきものって、光が当たっててらてらと輝くのが、水面に光が反射してきらきらときらめくのに似ていますよね。

「青い海の誘惑タイル」なんていう魅惑的な名前のタイルがあったら、ぜったい買っちゃう

本日のブログ:2009年2月号『タイルの本』「新タイル建築探訪14 別府市中央公民館(別府市公会堂)―青い海の誘惑/大阪歴史博物館学芸員・酒井一光氏」より抜粋・引用・転用

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2009年1月26日 (月)

vol.12 やきもののかみさま?!

日本にたくさんある神社や寺院。歴史あるものも多く、神社や寺院巡りが好きな方も、結構いらっしゃいますよね。

仏像好きと言えばみうらじゅんさんですね。「阿修羅ファン倶楽部」が記憶に新しいです。

・・・ちょっと話がズレましたが、今日は、「やきもののかみさま」を祀っているという神社の記事をご紹介します。

「やきもののかみさま」を祀るなら、その場所は、やっぱり焼き物が有名な瀬戸とか、備前、有田・・・

と思いきや、なんと、大阪にあるんです。

087 こちらがその神社。大阪市にある「火防(ヒブセ)陶器神社」と言って、「やきもののかみさま」とは具体的には土の神「大陶祗神(オオスエツチノカミ)」と、火を司る神「迦具突智神(カグツチノカミ」が祀ってあるそうです。

そうですよね、「やきもの」と言えば、。ナツトク。

やきものの神社だけあって、陶器のお皿が飾ってあります。

しかし、なぜ大阪にと言うと。この地域は「瀬戸物町」と呼ばれ、「窯元のまちではないが、西日本の陶磁器やタイルの流通拠点として隆盛を極めていた土地なのだ。」

商人のまち・大阪ですね。ここに集められた陶磁器が、東京のほうにも運ばれてきていたんでしょうか

でも、実はこの神社、戦火で焼けた後、埋め立てという憂き目に遭い、昭和46年(1971年)に現在の社殿が建てられた、建築的には新しいものなんだそう。

中もスゴイ「神様に捧げられた芸術作品」である陶板がぎっしりで、「陶板の小宇宙」という小見出しを著者はつけています。

そして、お賽銭箱もタイル張り 0874_2 0873

でも、考えてみれば、タイルはイスラム圏で発達して、イスラム寺院を飾ったわけですし。

日本でも塼(セン。中国語でレンガ等の総称)や瓦が使われ始めたのは6世紀後半の仏教寺院の建設からだとの事ですから、「やきもの」と「宗教」の繋がりは深く、濃いとも言えますね~。

本日のブログ:2008年7月号『タイルの本』「新タイル建築探訪⑦ 火防陶器神社 神様に捧げられた陶板 大阪歴史博物館学芸員・酒井一光氏」より抜粋・引用

※『世界のタイル 日本のタイル』(2000.世界のタイル博物館 編、INAX出版)も参考にしました。 

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2008年12月 3日 (水)

Vol.5 東北・猪苗代のヴィクトリアンタイル

前回のヴィクトリアンタイルに続きまして、今回はなんと日本のヴィクトリアンタイル建築をご紹介します

その名も「天鏡閣(テンキョウカク)」0808

1908年(明治41年)に有栖川宮威仁親王(アリスガワノミヤタケヒトシンノウ)が福島県の猪苗代に建てた別荘でございます

明治の洋館ですね。写真では見えにくいですが、煙突がたくさんついているんです。

煙突・・・つまり、暖炉がそれだけたくさんあるってことなんですね~。

雪も多く、寒い東北ですものね。26コもの暖炉があるらしいです。

それで、ヴィクトリアンタイルが多く用いられたのが、この暖炉の装飾。0808_2 0808_3

←こんな感じです。

こんな素敵なタイルの数々が、暖炉に華を添えています。0808_4 0808_5 0808_6

いやあ、ステキですねえ・・・生活必需品をうつくしく装飾し、生活空間の豊かさを楽しむ、施主のそんな人柄がうかがえますね。

イギリス・ヴィクトリア朝(1837~1901年)に流行したヴィクトリアン・タイル。日本では明治30~40年代の洋館に使われていたそうです。

「天鏡閣はその質・量からみて、日本におけるヴィクトリアン・タイルの一大宝庫といえよう。」(以上カッコ内本文より引用)

「一大宝庫」が、東京じゃなくて、猪苗代にある、っていうのも良いですよね。

スキー・スノボのウィンタースポーツがてら、ぜひ見学に行ってみてください

本日のブログ:2008年8号『タイルの本』新タイル建築探訪⑧「天鏡閣 ヴィクトリアンタイルの一大宝庫/大阪歴史博物館学芸員 酒井一光氏」より抜粋・引用

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2008年11月 7日 (金)

第一弾:タイルのおふろ

おふろ、好きですか??私は大・大・大好きです

本日は、『タイルの本』2008年9月号に掲載された、素敵なタイルのおふろの記事をご紹介します。

場所は大分県別府市。言わずと知れた別府温泉。「全国温泉巡り」的な入浴剤パッケージの中に「別府温泉」という袋があったなあ・・・

ご紹介のおふろは、野上本館に平成16年に誕生した半露天の貸切家族風呂。

その名も「喜久泉(キクセン)」と「光壽泉(コウジュセン)」。名前からしてステキなひびき・・・。

壁から湯船まで、タイルづくしのおふろ、まずはご覧ください

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設計者は「写真家にして左官・タイル・なまこ壁研究家」の藤田洋三氏。

使われているタイルは、藤田氏が収集したもの+「野上本館でかつて使われていた食器や照明器具のカバーなども散りばめられている」んだそうです。

「捨てられるかもしれない運命にあった品々が、見事な空間として再生された浴室は、タイル・ファンの秘密の園といってよいだろう。」(以上、カッコ内記事本文引用)

いろいろな所で使われていたタイルたちが大集合して、一つの空間を作り上げているわけですねー。

記事には、他にもおふろの部分写真がいっぱい載っているんですけど、一つ一つの部分は、決して一つのイメージを作っている、という感じではないんです。

一つ一つは違う部分が、全体としては一つの空間になっている。

洋服でも、柄と柄の組み合わせって、下手するとズゴイことになりますけど、上手くすると、なんとも言えない絶妙な統一感がありますよね。

そんな感じ?かな。

これから益々寒さが増します。タイルのおふろを満喫しに、別府へ行くのもいいかも

本日のブログ:『タイルの本』2008年9月号「新タイル建築探⑨野上本館 喜久泉・光壽泉~タイルファンの秘密の園/大阪歴史博物館学芸員 酒井一光氏」より抜粋・引用

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